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医学生向け解剖学の教科書の選び方
医学生が解剖学を勉強する際には、アトラス(図が中心のもの)と文字ベースの教科書が必要だと言われています。
最近はアトラスとしても使用できるしっかりした図と説明もあるハイブリット型教科書もできてきています。

管理人も解剖学の勉強の際には文字ベースの教科書とアトラスの両方を持ち歩いていました。両方1000ページ近いものだったのでとても重く、カバンが破れそうでした。家の外で勉強することの多い人は持ち運び性も考慮して選ぶか、電子化してiPadで使用できるようにするのがおすすめです。
・アトラス
・文字ベースの教科書
※ハイブリット型の教科書なら1冊で両方の役割も果たせる
解剖学の勉強の方法
解剖学の勉強は医学生にとって難しいところです。意味付けの難しい単純暗記の量が6年間でおそらく最も多い科目になると思います。
筆者は現在医学部6年生ですが、解剖学の勉強の重要性がやっと身にしみて分かってきたところです。
解剖学の暗記は大量で、試験が厳しい大学も多いと思います。
暗記の方法は人それぞれで個人にあった方法があると思うのですが、ここでは筆者の経験から勉強の方法を少しだけ書いておきます。
管理人の勉強法
解剖学の暗記は量が膨大なので時間との戦いになってきます。
管理人の場合には書いても覚えられない派だったので、ひたすら教科書を読みました。
また、教科書でIN PUTしたものを過去問を見ながら解きました(解答を作成せずに頭の中だけで作成する感じです)。
最初はあえて書かずにどれだけ思い出せるかを試し、教科書で正解かどうか確認しました。
過去問を何周か勉強した後の最終段階として過去問の回答を実際に紙に書き出しました。
書き出しの段階ではうろ覚えの解剖用語が多いことがわかったので更にそこを暗記しました。
書いても覚えられないということは自分で分かっていたので、できるだけ書かないということを考えて勉強しました。さらに思い出す作業を重視しました。
点のとり方:過去問研究がかなり重要
解剖学は範囲がとても広いだけに、重点的に勉強する分野を定めないと覚えきれません。
管理人は自分の大学の問題しか知らないので、なんとも言えないのですが解剖学の出題では、
- 血管の走行(分枝・名称の変化)
- 筋肉の位置・名前(支配神経・栄養血管)
- 骨(部位の名称・筋肉の付着部位)
- 内蔵(部位の名称・栄養血管)
- 発生
- 生理学との関連
- 病気との関連
- 英語・ラテン語
などが考えられます。
過去問研究では大まかな点数配分(筋肉・血管・内蔵で出題・配点の少ない箇所はないか)とどの程度の知識が出題されているか(血管の分枝や筋肉はどの程度まで覚えなくてはならないか)を最初に知ることが重要です。
管理人も低学年の頃は、過去問は一通り勉強が終わってから見る派でしたが、解剖学の場合には範囲が広すぎてその方法は無謀です。しっかりした授業プリントを元に出題される場合にはその方法でも良いかもしれませんが、おそらく解剖に関しては実習がメインになると思います。
繰り返しになってしまいますが、過去問や先生からのから配点やどの程度の知識が必要かという情報は勉強のできるだけ早くに入手するのが望ましいです。これを逃すと勉強の方向性を見失う可能性があります。
また、筆者の大学では解剖実習の手引きの図からの出題が多いという情報があったのでそこも中心的に勉強しました。出題元になる教科書・アトラスが分かっている場合にはその教科書を重点的に勉強すると点数が取りやすいです。
モチベーションの維持:解剖学は上級生なってから一番役に立つ
解剖学の勉強は単純暗記に襲われて、モチベーション切れになりがちです。

こんなん覚えられないし、覚えて何になるんだよ(怒)
的なテンションに誰もが一度なると思います。
解剖学は基礎医学の中では国試の勉強でも最も役に立っている科目といっても過言ではありません。
モチベーションの維持に役立つように医学部6年生になってわかった解剖学を真面目に勉強しておくメリットを紹介しておきます。苦しくなったらこれを思い出してモチベーションを維持してもらえたらと思います。
解剖学はCBTや国試にもふつうに出る
CBTでもふつーに解剖の問題が出ますし、国試でも出てきます。

解剖の試験を受けた直後なら簡単と思えるような内容でも、5、6年生になってから解くと全然解けないです。解剖学の勉強はとてもとても大変なので無理な注文ではあるのですが、「短期記憶ではなく(一夜漬けではなく)長期記憶として解剖を勉強しておいてくれ」と過去の自分に伝えたいです。この記事を読んでくださっている方はどうか時間をかけて勉強してくださいね!
国家試験の解剖の分野を問いてみたい人は、QB(クエスチョンバンク)という医師国家試験過去問集の各冊子(科目別に冊子になっています)を覗いてみると最初の方に解剖の問題が固まっています。
※間違っても、解剖の試験のために購入するような本ではないのでご注意を!毎年改定があって最新の国家試験の問題が追加されるので、早く買いすぎるとお金の無駄になります。

どーしても欲しければ国家試験に合格するといらなくなるものNo1でもあるので、先輩にもらうのもアリ!1,2年生で卒業生にQBくださいと言ったら驚かれる可能性がかなり高いですが笑
図書館で見てみるのが最も無難です。
medu4の過去問データベースで解剖学の用語を検索してみるのもアリですが、効率が悪いかも。

臨床実習でもめっちゃ大事
臨床実習(ポリクリ・クリクラ)の外科実習でも一番役に立つのは解剖です。
手術の前には解剖学のアトラスを引っ張り出してきて、手術する部位の解剖構造を予習することになります。
手術を実習で見ていると
「学生さん、これ何か分かる?」
という質問が唐突に飛んでくるからです。
実習を自分で行って意外だったのが、筋肉の名称を質問されることでした。
血管や神経が重要なのは分かっていましたが、「筋肉の名称なんて使うのかよ」という考えを持って解剖学の勉強をしていた自分にとっては衝撃でした。
手術では、筋肉を目印に切開する場所を決めたりします。体の奥に入っていくには筋肉を切る必要があるので、手術の手順の上ではどの筋肉を切るかというのは重要なようです。
医師になってももちろん役立つ
医師になって役に立ちそうなイメージはあると思うので、ちょっと意外な役に立ち方を紹介します。(実習で先生に聞いた話)
患者さんがここが痛いと足を指さして来た時には、そこにどんな構造物があるのかを考えて何が起こっているのか考えていくそうです。
特に病名がついていなくても、筋肉や靭帯の炎症で痛くなることもよくあります。
そのときにしっかり解剖学的な構造名を知っていないと、カルテにうまく記載できないそうです。
かっこ悪いカルテを書かないためにも、ある程度解剖を知っておく必要があるとのことでした。
教科書に関しての考察(管理人の意見)
勉強に関する内容を書きすぎてしまったので、教科書のことをもう一度書いておきます。
・アトラス
・文字ベースの教科書
※ハイブリット型の教科書なら1冊で両方の役割も果たせる
解剖学の勉強ではPointに書いたような内容の本が必要になります。
ハイブリット型の教科書が最近はイイ感じなので、結構おすすめです。(例えばグレイ解剖学)
ハイブリット型の教科書のメリットを考えてみました。
ハイブリット型教科書のメリット:図と説明が近い
- 荷物が軽く済む。
- アトラスと文字の教科書を往復しなくてよい。
- 図の近くに説明がある。
荷物が軽くなるのは当たり前ですが、侮ることなかれ。精神的にしんどい時期に肉体的にも辛いのは嫌になりますよ。
図の説明の近くに文字の解説があるのはすごーくありがたいことです。
勉強すると分かるのですが、「〇〇の前方を△△が通過し、ここで名称がXXに変わる」と文字で説明されても、イメージし辛いのでアトラスに目を写すことが多いです。アトラスのページをパラパラめくって目的のページに辿り着くまでには数秒〜数十秒かかってしまいます。
ハイブリット型の教科書なら間違いなく近くに説明した図があるので時間的にも短縮できます。
逆に、アトラスで気になった構造物があってイマイチ構造がわからないときには文章の教科書で探すこともあります。ここでもハイブリット型の方が探しやすいんです。
ハイブリット型の教科書のデメリット:全体のごっちゃっとした図が少ない
例えばグレイ解剖学をパラパラ見てもらえば分かるのですが、説明のためにシンプルになった図が多いです。逆に、ネッター解剖学みたいな「この辺の構造物全部のせました」という図は少ないです。
このへんの図の違いが分かりやすさを生んでくれるのですが、デメリットにもなりえます。
例えば、「腹腔内の臓器とその動脈の関係をできるだけ多く図示せよ」といったざっくりした問題の場合、「全部のせ」の図で覚えていたほうが構造物と構造物の関係性はよく分かります。
臨床実習の手術の予習をする際にも同様で、「明日はこの辺をいじるからこの辺の構造物を一通り見ておこう」といった勉強はアトラスの方がやりやすいのです。
アトラス
図も豊富な教科書は増えてきましたが、様々な角度から様々な深さの図が記載されている点でアトラスにはかなわないと思います。
やはり解剖学の勉強にアトラスは必要な状況です。
アトラスには数種類ありますが、どれも絵の雰囲気や1枚の図の情報量が異なります。
長時間の勉強で使うアトラスなので、絵の雰囲気が自分の好みにあったものを選ぶのが重要です!

解剖学の勉強はとても大変ですが、臨床を学ぶ上で必ず役に立ちます。お気に入りの教科書と一緒に頑張ってください!
ちなみに管理人はテンション上がって、プロメテウス・ネッター・グレイを全部買ってしまいました。結局一番好みだったのはプロメテウス解剖学でした。やはり好みの教科書を一番使用してしまいますね。
プロメテウス解剖学コアアトラス

CGのようなイラストの解剖学の教科書です。一つの絵に情報量が少ないのが特徴で、スッキリと理解できます。管理人としては最初に解剖を学ぶ人には最もオススメしたい1冊です。余白が多く書き込みに向いているのも特徴です。
コアアトラスは更に詳細な複数のアトラスの重要な図をまとめたものですので、元になる詳しいアトラスが存在します。
以下の三冊揃えると全身のアトラスが完成します。
詳細版ではコアアトラスにはない文章による解説も存在し、一つの臓器に対する図の量も多いです。
しっかり調べたわけではないですが、それぞれの詳細版がコアアトラスと同じくらいの厚さなので、3倍くらいの詳しさがある計算になります。
▼頭頸部と神経
▼胸部・腹部・骨盤部の内蔵がメイン。

三冊揃えるとかなり詳細なアトラスになります。説明の文章もついているので結構便利そうです。
▼こちらは口腔外科を対象としたもの。
▼コンパクト版もあります。
コンパクト版は漫画の単行本くらいのサイズ感で、持ち歩きに便利です。厚さは単行本三冊くらいありますが。(800ページあります。)
見開きで1つの内容として構成されていて、左ページに主要構造に番号がついたアトラス、右ページには左ページに対応した番号と構造名が書かれています。

問題集のように使うことも可能でかなり便利です。
外科実習の際に病棟で解剖を復習するにも役立ちました。
ネッター解剖学

ネッターは油絵風の作風です。手術見学をしていたりするとこちらのほうがプロメテウスよりもリアルだったりします。また、一つの図に多くの情報がつまった図の割合が多いです。
高学年になってからほしい図が多いです。試験の出題内容にもよりますが、初学者にはプロメテウスが使いやすい気がします。
▼ネッターの魅力は電子版付きのものがあることです!

ネッターを購入するなら是非電子版付きのものを購入しておくことをオススメします。医学部高学年になると国試の勉強の関係で大多数の人がiPadなどのタブレット端末を購入することになります。その際に電子版のライセンスを持っていれば、タブレットにアトラスを入れることができます。臨床系の勉強が始まると解剖のアトラスを持って歩く気にはなりませんが、意外にアトラスを見たいタイミングは多いです。(解剖の知識が忘却したりもするので。)
更に電子版であれば、スクリーンショットでノートアプリに貼ることもできるので、活用の幅も広がります!最近の国家試験対策予備校はPDFに書き込む形式のものも増えているので相性も良好です。
勉強の電子化に興味のある方は管理人のもう一つのサイトも御覧ください!
グレイ解剖学アトラス

アトラスの図がカラフルでCG風であることが特徴的です。
内容は、「概観」「局所解剖」「体表解剖」「臨床事項」から構成されており、他のアトラスと比較して文章での説明が充実しています。概観よりも局所解剖に重点が置かれており、構造物ごとの説明がとても充実しています。訳本ではありますが、読みにくい文章ということはありません。また臨床的事項や、X線やCT・内視鏡の画像の掲載もあり、全体として臨床を意識した作りとなっています。
- 文字での説明がしっかりしている。
→ 解剖学的構造や神経支配を文章で説明しているため、構造物の特徴をつかみやすい。
→ 臨床的事項や実際のX線・内視鏡の写真が掲載されており、臨床をイメージしやすい。
→ 発生についての記載もあるため、解剖と発生を分けずに勉強しやすい。
- Elsevier社の出版物であるため、Student Consultのアカウントを取得すると電子書籍版も手に入る。
特徴まとめ
- Kindle版あり。
- 臨床を意識したアトラス。
- 文章版のグレイ解剖学との相性が良好
解剖学のテキスト中心の教科書

テキスト中心の教科書にもいくつか候補があり、それぞれ特徴があります。どれもクセが強いので、自分の好みに合うものを選ぶことも重要です。
解剖学講義

淡々と書いてある系。色使いも少な目で、シンプルです。高学年になってからやっと良さがわかりました。かなり好き嫌いが別れる印象。図はわかりにくい概念に関して簡易化して記載されています。
▼詳細解説ページ

↑上の詳細ページですが、解剖学講義派のアンキパンさんが詳細なレビューを書いてくれました。筆者はイラスト解剖学派なので、ぜひ解剖学講義派の方の意見を是非読んでください!
イラスト解剖学

こちらも好き嫌いが分かれる図です。勉強が嫌いな人にはこちらのほうがとっつきやすいかも。解剖学講義よりも臨床的な事項が書かれている印象です。筆者はかなり好きです。
最新版からカラー化されたので、中古本を買う場合は気をつけてください。
▼詳細解説ページ
【解剖学・教科書】イラスト解剖学のレビュー・感想・評価の比較
ハイブリット型教科書
最近、増加傾向のあるハイブリット型の教科書。アトラスと説明が同じページにあるので、2冊持ち歩かなくてよいのが魅力です。分かりやすいものも多いので学生としてはありがたいですね。最近になって急に充実し始めています。レビューも少ないので、皆さんのレビューをお待ちしています。
グレイ解剖学
Elsevier社出版の“Gray’s Anatomy for Students”の日本語版です。最新改定版(第3版)は2016年に出版されています。

有名なグレイ解剖学の日本語訳版。正確にはGray’s anatomy for studentsの日本語訳版。もともと学生向けだからか説明が分かりやすい。模式化した図が豊富で理解の助けになります。解剖学が苦手で試験に苦労していた友人もこの本を買ってから勉強がとても楽になったとのこと。
標準解剖学

図がかなり多い。フルカラーで見やすく好印象でした。構成が他の標準シリーズと似ているので、他の基礎医学で標準シリーズが好みの人にはとてもオススメの1冊です。
ムーア臨床解剖学

こちらも図がかなり多いです。図の工夫、わかりやすさでは標準を上回るように感じました。下の臨床のための解剖学のEssential版です。
▼詳細ページ
【解剖学の教科書】ムーア臨床解剖学のレビュー・感想・評価の比較
臨床のための解剖学

世界的にかなり売れている教科書の日本語訳版です。解剖学の重要性は6年生になってしみじみと感じています。個人的に時間があれば買って解剖学の復習に使いたいという1冊です。
▼こちらの本の原著がこちら。Amazonの原著版のページでは、中身をお試しで見ることができます。英語版ですが、図の雰囲気もみれるので、オススメです。
▼詳細ページ
【解剖学の教科書】臨床のための解剖学のレビュー・感想・評価の比較
使える意外な教科書
ここからは低学年ではあまり知らない(かもしれない)教科書を紹介します。
病気がみえる整形外科
病気がみえるシリーズの名前くらいは聞いたことがあるでしょうか?
臨床の講義が始まると必ず耳にする教科書です。
この教科書の整形外科の巻が骨・筋肉・関節の勉強に使えます。
結構わかりやすい上に、安い!
学年が進んでも整形外科の勉強に使えるので、買って損することはありません。
なにより、臨床的な情報もたくさんのっているので暗記で嫌になってきたときに見ればモチベーションに繋がること間違いなしです。
解剖の勉強はモチベーションとの戦いです。その意味でもお得な1冊と言えるのではないでしょうか?
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