はじめに
ゆーです。
最近、後輩と居酒屋に行ったのですが私だけ身分証明書の提示を求められました。見た目って大事ですね。
さて今回も医学生に読んでもらいたい基礎研究系の本紹介を書いていきたいと思います。今回紹介するのは、直接的に研究に関係するものではありませんがとても重要な分野です。
それは、レイアウトです。
医学生に読んでもらいたい基礎研究の本2
高橋佑磨 先生と片山なつ 先生の
『伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール』という本です。
人は見た目が9割という言葉が流行りましたが、研究においても成り立つ部分があります。いかにいい研究だったとしても見た目に気を払わない研究は、評価されるチャンスを逃してしまいます。一方、デザインに対する理解があれば、より魅力的な研究になることでしょう。著者の高橋 佑磨 先生は千葉大学 大学院理学研究院 生物学研究部門の助教で研究発表のための「伝わるデザイン」について実績があり、多くの講演をなされています。
高橋佑磨先生のホームページにも有益な情報があり、興味がある方は是非ご覧になっててください。一見してその秀逸さがわかるかと思います。本で紹介されている内容の多くは先生のホームページにまとまっております。全て無料で読むことができるので、有用だと思えた方はぜひこの本を手にとってみて下さい。
この本の見どころ
伝わりやすいデザインにはルールが存在します。研究などもそうですが、自己流というのは非常に視野が狭く、自分勝手なものになりがちです。この本では、伝わりやすいデザインのルールを体系化し、誰にでも使いこなせるようにまとまっています。一般的なデザイン本と異なり、この本は著者がバイオ系の研究者です。そのため、研究に特化しつつ、ある程度普遍的なルールをバランスよく紹介しております。
高橋先生の主張は、
見やすいレイアウト、わかりやすいレイアウトを作るときの重要なポイントは、発表者の頭の中にある「論理」や「事柄と事柄の関係性」に即して文字や絵を配置すること
と述べています。「論理やストーリーをレイアウトする」ことが大切であるということを重要視しています。
このレビューでは簡単にできる基本的なルールを紹介します。これらのルールを意識することで研究発表のデザインは大きく変わるはずです。
そのルールとは
①揃える ②グループ化③余白を取る ④コントラストをつける
です。
その中でも「①揃える」は非常に有効です。この点を意識するだけでも資料が劇的に良くなることと思います。見えないグリッド線を意識することでレイアウトの必然性が出てきます。いつもグリッド線を意識し、統一感を出すことで非常にすっきりとしたレイアウトとなり伝わりやすいものになるはずです。この点、知っておかないと、研究発表の図や文章がずれていたりしてしまいます。せっかく、内容が良くてもレイアウトに関しては無頓着であると判断されてしまう発表は残念ながら多いです。
最後に
この本を読み、伝わるデザインのルールさえ押さえれば、研究の進捗発表、学会発表はもちろんのこと、普段のレポート、授業ノートなどにも応用が利きます。研究には論理性が重要ですが、その論理を正しく伝えるために、この本で見た目も重視した研究にしてみませんか。
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